「社労士」って何してくれるの?~頼れる味方、社労士活用法の解説~

「社労士」という言葉、聞いたことはあるけれど、具体的にどんな仕事をしているのか、どんな時に頼りになるのか、意外と知らない経営者の方も多いのではないでしょうか。
「うちはまだ社員数も少ないから、社労士さんに頼むのは大げさかな…」 「社長である私が、労働保険や社会保険の手続きも全部自分でできる!」
そう思っていませんか? ちょっと待ってください!実は、会社の規模に関わらず、社労士は事業主にとって強い味方。 複雑な労働法や社会保険の手続きを代行してくれるだけでなく、会社の成長をサポートする様々な知識やノウハウを持っている、頼れるパートナーなのです。
この記事では、
- 社労士って一体何者?
- 具体的にどんなことをしてくれるの?
- 社労士に依頼するメリットは?
- どんな時に相談すればいいの?
- 社労士を選ぶポイントは?
といった疑問に、分かりやすく解説していきます。
1. 社労士って一体何者?
社労士(しゃろうし)とは、「社会保険労務士」の略称で、労働や社会保険に関する専門家です。 国家資格である「社会保険労務士資格」を持つ人のみが名乗ることができます。
簡単に言うと、
- 労働に関するプロフェッショナル
- 社会保険に関するプロフェッショナル
ということです。
会社を経営していく上で、従業員の採用、給与計算、社会保険の手続き、退職時の対応など、様々な場面で労働・社会保険に関する専門知識が必要になります。 社労士は、これらの煩雑な手続きを代行したり、法律に基づいた適切なアドバイスを行ったりすることで、事業主を強力にサポートします。
2. 具体的にどんなことをしてくれるの?
社労士の仕事は、大きく分けて以下の3つに分類できます。
(1) 労働・社会保険の手続き代行
会社は、従業員を雇うと、労働保険(労災保険・雇用保険)や社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入する義務があります。 これらの保険に関する手続きは、法律で定められた複雑なルールに基づいて行わなければならず、事業主自身が行うには大きな負担となります。
社労士は、これらの煩雑で時間のかかる手続きを、会社に代わって正確かつ迅速に行ってくれます。 これにより、事業主は本業に集中でき、時間と労力を大幅に節約できます。
- 労働保険の手続き
- 労働保険の加入手続き
- 労災事故が発生した場合の給付申請
- 雇用保険の給付申請(育児休業給付など)
- 社会保険の手続き
- 社会保険の加入手続き
- 従業員の入社・退職時の手続き
- 保険料の計算
- 出産・育児に関する給付申請
- 病気やケガに関する給付申請
(2) 労務管理に関するコンサルティング
社労士は、労働法や社会保険に関する専門知識だけでなく、労務管理に関する豊富な経験とノウハウを持っています。 会社の状況や課題に合わせて、最適な労務管理体制の構築をサポートします。
- 就業規則の作成・見直し
- 会社のルールブックとなる就業規則は、法律に則って作成する必要があります。
- 社労士は、会社の状況や従業員の意見を反映させながら、トラブルを未然に防ぐための就業規則を作成・見直しを行います。
- 賃金制度の設計・見直し
- 従業員のモチベーションを高め、会社の成長に繋がるような、公平で納得感のある賃金制度を設計します。
- 最新の法改正や市場動向を踏まえ、定期的な見直しも行います。
- 人事評価制度の構築
- 従業員の能力や成果を正しく評価し、育成に繋がる人事評価制度を構築します。
- 評価基準の設定や評価方法の指導なども行います。
- 労働時間管理
- 長時間労働や未払い残業は、従業員の健康を害するだけでなく、会社の信用を失墜させる原因にもなります。
- 社労士は、適切な労働時間管理の方法をアドバイスし、労働時間に関するトラブルを防止します。
- メンタルヘルス対策
- 従業員のメンタルヘルス不調は、休職や離職に繋がるだけでなく、職場の雰囲気を悪化させる原因にもなります。
- 社労士は、メンタルヘルス不調の予防や、不調者への対応についてアドバイスを行います。
- ハラスメント対策
- 職場でのハラスメントは、従業員の心身を傷つけ、会社の生産性を低下させるだけでなく、企業のイメージダウンにも繋がります。
- 社労士は、ハラスメント防止のための研修や相談窓口の設置、発生時の適切な対応についてアドバイスを行います。
(3) その他の業務
上記以外にも、社労士は様々な業務を通じて、会社をサポートします。
- 助成金・補助金の申請代行
- 国や自治体から支給される助成金や補助金は、会社の経営を助ける上で大きな力となります。
- 社労士は、複雑な申請手続きを代行し、会社が助成金・補助金をスムーズに受け取れるようにサポートします。
- 年金相談
- 従業員の年金に関する相談に応じ、適切なアドバイスを行います。
- 年金制度は複雑で分かりにくいため、専門家である社労士のサポートは非常に役立ちます。
- 労働紛争の解決
- 万が一、従業員との間で労働紛争が発生した場合、社労士は、裁判外紛争解決手続(あっせん)代理人として、当事者間の話し合いによる解決をサポートします。
- 弁護士のように訴訟代理人にはなれませんが、紛争の初期段階で社労士に相談することで、訴訟に発展する前に解決できる可能性が高まります。
3. 社労士に依頼するメリットは?
社労士に依頼することで、会社にとって様々なメリットがあります。
- 本業に専念できる
- 煩雑な労働・社会保険の手続きから解放され、経営者や人事担当者は、本来の業務に専念できます。
- コスト削減
- 手続きミスによるペナルティや、無駄な残業代の発生などを防ぎ、結果的にコスト削減に繋がります。
- コンプライアンス強化
- 労働法や社会保険に関する最新の情報を常に把握し、適切な対応を行うことで、法令遵守(コンプライアンス)を強化できます。
- 従業員のモチベーション向上
- 適切な労務管理体制を構築することで、従業員の満足度やモチベーションが向上し、生産性の向上に繋がります。
- 経営の安定化
- 労働紛争のリスクを減らし、会社の成長をサポートすることで、経営の安定化に貢献します。
- 助成金・補助金の活用
- 複雑な助成金・補助金の申請を代行してもらうことで、会社が利用できる制度を最大限に活用できます。
4. どんな時に相談すればいいの?
「これって社労士さんに相談してもいいのかな?」と迷う方もいるかもしれませんが、労働や社会保険、労務管理に関するちょっとした疑問や悩みでも、お気軽にご相談ください。 例えば、以下のようなケースで社労士が力になります。
- 従業員を初めて雇うことになった
- 従業員が入社・退職する際の手続きが分からない
- 労働時間や残業代の計算方法が分からない
- 就業規則を作成・見直したい
- 賃金制度や人事評価制度を構築したい
- 従業員との間でトラブルが発生した
- 助成金・補助金について知りたい
- 年金制度について従業員から質問を受けた
上記以外にも、「最近、従業員のモチベーションが下がっている気がする…」「うちの会社の残業時間、法律的に大丈夫かな?」といった、ちょっとした疑問や不安でも、社労士は親身になって相談に乗ってくれます。
5. 社労士を選ぶポイントは?
社労士を選ぶ際には、以下のポイントを参考にすると良いでしょう。
- 専門分野
- 社労士によって得意分野が異なる場合があります。
- 会社の状況や相談したい内容に合わせて、専門性の高い社労士を選びましょう。
- 経験・実績
- 豊富な経験や実績を持つ社労士は、様々なケースに対応できる可能性が高いです。
- コミュニケーション能力
- 分かりやすく説明してくれるか、親身になって相談に乗ってくれるかなど、コミュニケーション能力も重要なポイントです。
- 料金体系
- 料金体系は、顧問契約の場合と、手続き代行やコンサルティングごとに料金が発生する場合があります。
- 事前にしっかりと確認しておきましょう。
- 相性
- 長く付き合っていくパートナーとなるため、相性も重要なポイントです。
- まずは、相談してみて、話しやすいと感じる社労士を選びましょう。
まとめ
以上、『社労士』についての解説でした。いかがでしたでしょうか?こんなことも社労士に相談できるんだ!という発見もあったかもしれません。
社労士事務所ぽけっとは、給与計算や社会保険の手続きを得意としています。ぜひ、毎月の給与計算にお困りの方はお気軽にお問い合わせください。皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。