従業員の成長をバックアップ!資格取得支援手当の税金・社会保険ガイド

従業員のスキルアップを応援したいけど、資格取得支援手当って税金や社会保険はどうなるの?

企業の皆さま、こんにちは!

近年、従業員のスキルアップを支援する企業が増えていますよね。 中でも、資格取得支援手当は、従業員のモチベーション向上や定着率アップに効果的な制度として注目されています。

しかし、いざ導入を検討するとなると、税金や社会保険の取り扱いが気になるところ。

「非課税になる条件って?」「社会保険料や雇用保険料はどうなるの?」

そんな疑問をお持ちの経営者の方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、資格取得支援手当の税金・社会保険の取り扱いについて、どこよりも分かりやすく解説します!

この記事を読めば、資格取得支援手当に関するモヤモヤが解消し、安心して制度を導入できます。 ぜひ、最後までお読みください。

1. 資格取得支援手当とは?

まずは、資格取得支援手当の基本的な内容を確認しておきましょう。

資格取得支援手当とは、従業員が業務に必要な資格を取得する際に、企業が費用を補助する制度のことです。

具体的には、

  • 受験料
  • テキスト代
  • 研修費用

などを企業が負担したり、資格取得後に報奨金を支給したりするケースが一般的です。

2. 資格取得支援手当の種類と支給方法

資格取得支援手当には、大きく分けて以下の2つの種類があります。

2.1. 費用補助型

費用補助型は、資格取得にかかる費用を企業が直接負担するものです。

例えば、

  • 受験料を企業が負担する
  • テキスト代を現物支給する
  • 研修費用を企業が負担する

といった支給方法が考えられます。

2.2. 報奨金型

報奨金型は、資格取得後に一時金を支給するものです。

合格祝い金のようなイメージですね。

支給額は、資格の難易度や重要度によって異なります。

3. 資格取得支援手当は課税?非課税?

資格取得支援手当の税金の取扱いは、支給方法によって異なります。

3.1. 費用補助型の場合

業務に必要な資格取得のための費用を、企業が直接負担する場合、原則として非課税となります。 この点について、詳しくは国税庁のホームページをご参照ください。(国税庁のホームページ

ただし、以下の点には注意が必要です。

  • 業務に関係のない資格: 趣味の資格など、業務に関係のない資格取得費用は、給与として課税対象となります。
  • 個人的な支出: 従業員が個人的に購入した書籍代などは、課税対象となる場合があります。

3.2. 報奨金型の場合

資格取得後に一時金を支給する場合、原則として課税対象となります。

報奨金は、給与所得として扱われるためです。

4. 社会保険・雇用保険の取扱いは?

社会保険料と雇用保険料は、毎月の給与額に基づいて計算されます。

そのため、資格取得支援手当が給与として扱われる場合は、社会保険料と雇用保険料の計算対象となります。

具体的には、以下のようになります。

  • 費用補助型(非課税の場合): 社会保険料・雇用保険料の計算対象外
  • 報奨金型(課税対象の場合): 社会保険料・雇用保険料の計算対象

厚生労働省のホームページ(厚生労働省のホームページ)には、

「被保険者賞与支払届」の対象となる賞与は、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受けるもののうち、年3回以下の支給のもの

とあります。

この定義に従うと、資格取得支援手当の報奨金も、労働の対償として支払われるものであり、年3回以下の支給であれば、賞与に該当することも考えられます。

ただし、資格取得支援手当の具体的な支給方法や条件によっては、賞与として扱われないケースも考えられます。そのため、年金事務所に事前に確認し、適切な処理を行うようにしてください。

5. 資格取得支援手当を導入するメリット

資格取得支援手当を導入することで、企業には様々なメリットがあります。

5.1. 従業員のモチベーション向上

スキルアップを支援することで、従業員のモチベーションが高まります。

「会社が自分の成長を応援してくれている」と感じ、仕事への意欲向上につながるでしょう。

5.2. 従業員の定着率向上

従業員の成長を支援することで、定着率が高まります。

スキルアップできる環境は、従業員にとって魅力的な職場です。

5.3. 企業の競争力強化

従業員のスキルアップは、企業の競争力強化に直結します。

専門知識やスキルを持つ従業員が増えることで、生産性向上や新たな事業展開につながる可能性も。

5.4. 人材育成

従業員のスキルアップを促し、長期的な人材育成につながります。

6. 資格取得支援手当を導入する際の注意点

資格取得支援手当を導入する際には、以下の点に注意が必要です。

6.1. 対象となる資格の明確化

業務に必要な資格を明確にしましょう。

対象となる資格を限定することで、制度の目的が明確になります。

例えば、以下のような点を考慮すると良いでしょう。

  • 業務との関連性: 資格が従業員の現在の業務にどのように役立つかを具体的に示す。
    • 例:「TOEIC 800点以上」:海外顧客とのコミュニケーション能力向上に資する
    • 例:「MOS資格」:業務効率化に繋がるPCスキル向上
  • キャリアパスとの連動: 資格取得が、従業員の将来的なキャリアパスにどう繋がるかを示す。
    • 例:「〇〇資格」:将来の管理職昇格要件
    • 例:「△△資格」:専門性を高め、将来的に専門職としてキャリアアップできる

6.2. 支給条件の明確化

支給額、支給方法、支給時期などを明確に定めましょう。

従業員が安心して制度を利用できるように、具体的なルールを設けることが大切です。

例えば、以下のような項目を明確に定めることが重要です。

  • 支給対象となる資格: 業務に直接関連する資格、キャリアアップに資する資格など、具体的な資格名を列挙する、または「会社が認める資格」といった包括的な定義とする
  • 支給額: 一律〇〇円、資格取得費用の〇〇%、難易度に応じて変動など、具体的な金額を定める
  • 支給時期: 合格発表後〇日以内、資格取得後最初の給与支払い日など、具体的な時期を定める
  • 支給方法: 給与に上乗せして支給、指定の口座に振り込みなど、具体的な方法を定める
  • 返金規定: 資格取得後、一定期間内に退職した場合の返金義務の有無、返金額などを定める

6.3. 就業規則への記載

資格取得支援手当に関する事項は、就業規則に記載する必要があります。

制度の概要や利用条件などを明記し、従業員に周知しましょう。

6.4. 税務署・年金事務所への確認

税務上の取扱いについては税務署に、社会保険上の取扱いについては年金事務所に、事前に確認することをおすすめします。

7. まとめ

資格取得支援手当は、従業員の成長を応援し、企業の発展にもつながる有効な制度です。

税金や社会保険の取扱いを正しく理解し、効果的に制度を導入しましょう。

この記事が、皆様の資格取得支援手当の導入・運用に役立つことを願っています。