キャリアアップ助成金(正社員化コース)とは?2025年度の変更点もわかりやすく解説!

2025年度最新!キャリアアップ助成金を賢く活用

こんにちは!社労士事務所ぽけっとです。

「優秀なパートさんや契約社員さんに、これからも長く活躍してほしい」
「正社員として雇用したいけど、コスト面で不安がある…」

中小企業の経営者様や人事ご担当者様から、このようなお悩みをよくお伺いします。

従業員の定着率アップやモチベーション向上は、企業の成長に欠かせない重要な課題です。
そこで今回は、そんなお悩みを解決する心強い味方、「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」について、どこよりも分かりやすく解説します。

2025年度(令和7年度)の最新情報や変更点も盛り込んでいますので、ぜひ最後までご覧いただき、貴社の素晴らしい人材の正社員化にお役立てください。

そもそもキャリアアップ助成金とは?

キャリアアップ助成金とは、パートタイマーや契約社員といった非正規雇用の労働者のキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善の取り組みを行った事業主に対して、国が費用の一部を助成する制度です。

従業員は安定した雇用とより良い待遇を得られ、企業は助成金によってコスト負担を軽減しながら優秀な人材を確保できる、まさに一石二鳥の制度と言えるでしょう。

この助成金にはいくつかのコースがありますが、今回は最も活用されている正社員化コースに絞って詳しく見ていきましょう。

【2025年度最新情報】正社員化コースの支給額は?

正社員化コースで受け取れる助成額は、中小企業の場合、対象労働者1人あたり最大80万円と非常に高額です。

2025年度から「重点支援対象者」という区分が新設され、対象となる労働者がこの条件に当てはまるかどうかで支給額が変わります。

中小企業の支給額(1人あたり)

対象となる労働者支給額(1期目:6ヶ月後)支給額(2期目:さらに6ヶ月後)合計
【重点支援対象者】40万円40万円80万円
上記以外40万円-40万円

(※大企業の場合は金額が異なります)

「重点支援対象者」とは?

少し専門的になりますが、以下のいずれかに該当する方が「重点支援対象者」となります。

  1. 雇入れから3年以上の有期雇用労働者
  2. 雇入れから3年未満で、過去5年間に正規雇用された期間が1年以下の方
  3. 派遣労働者、母子家庭の母等、特定の訓練を修了した方など

つまり、より正社員化へのハードルが高い方を支援する場合に、手厚く助成される仕組みになったのです。

助成金を受け取るための5つのステップ

「助成金って、手続きが難しそう…」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。
大まかな流れは以下の5つのステップです。

  1. 【STEP1】キャリアアップ計画書の作成・提出
    • 「いつ、誰に、どのような取り組みをするか」という計画書を作成し、管轄の労働局またはハローワークに提出します。必ず、正社員に転換する前に提出する必要があります。
  2. 【STEP2】就業規則の整備
    • 就業規則に「正社員への転換制度」を明記します。試験や面談、勤続年数など、転換のルールを定めます。
  3. 【STEP3】正社員への転換
    • 定めたルールに基づき、対象の従業員を正社員として雇用します。雇用契約書を新たに結び、労働条件を明示します。
  4. 【STEP4】転換後6ヶ月間の雇用と賃金の支払い
    • 正社員として6ヶ月間雇用し、賃金を支払います。このとき、転換前6ヶ月の賃金と比べて3%以上増額している必要があります。
  5. 【STEP5】支給申請
    • 6ヶ月分の賃金を支払った日の翌日から2ヶ月以内に、支給申請書と必要書類を労働局またはハローワークに提出します。
    • 重点支援対象者の場合は、さらに6ヶ月後に2回目の申請を行うことで、合計80万円が支給されます。

【Q&A】キャリアアップ助成金のよくあるご質問

Q1. 個人事業主でも利用できますか?

A1. はい、利用できます。ただし、雇用保険の適用事業所であることが必須条件となります。従業員を1人でも雇用し、雇用保険に加入していれば対象となります。

Q2. 従業員10人未満の会社ですが、就業規則は必要ですか?

A2. はい、必要です。法律上、常時10人未満の事業場に就業規則の作成・届出義務はありません。しかし、キャリアアップ助成金では、客観的なルールに基づいて転換制度を運用することが求められるため、就業規則への規定が必須となります。

Q3. 賃金の「3%増額」には、交通費や残業代も含まれますか?

A3. いいえ、含まれません。3%増額の比較対象となるのは、基本給や諸手当といった毎月固定的に支払われる賃金です。賞与や通勤手当、残業代などは除いて計算する必要がありますのでご注意ください。

Q4. 経営者の親族を正社員に転換する場合も対象になりますか?

A4. いいえ、原則として対象外です。事業主の3親等以内の親族は助成金の対象となりません。

【まとめ】人材育成と経営安定の第一歩に

キャリアアップ助成金(正社員化コース)は、単にコスト負担を軽減するだけでなく、従業員のエンゲージメントを高め、企業の成長を後押ししてくれる素晴らしい制度です。

  • 従業員のモチベーションと定着率がアップする
  • 計画的な人材育成が可能になる
  • 採用活動において「正社員登用あり」とアピールできる

このようなメリットは、人手不足が深刻化する現代において、他社との大きな差別化につながるはずです。

とはいえ、

「うちの会社は対象になるのか?」
「就業規則はどうやって変えればいい?」
「申請書類の準備が大変そう」

など、ご不安な点も多いかと存じます。

そんなときは、ぜひ私たち社労士事務所ぽけっとにご相談ください。
社労士として、計画書の作成から申請まで、貴社に寄り添って丁寧にサポートいたします。
ご相談は無料ですので、どうぞお気軽にお問い合わせください。


【免責事項】
本記事は、2025年6月時点の情報を基に作成しています。助成金の制度は改正される可能性があるため、申請を検討される際には、必ず厚生労働省のウェブサイト等で最新の情報をご確認ください。また、本記事の内容に基づくいかなる行為についても、当事務所は一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。