【2026年4月スタート】子ども・子育て支援金制度を徹底解説!

こんにちは!社労士事務所ぽけっとです。
2026年4月からスタートする**「子ども・子育て支援金制度」**。
ニュースや新聞で耳にする機会は増えましたが、
「結局、今までの『子ども・子育て拠出金』と何が違うの?」
「健康保険料に上乗せされるって本当?」
「一体、何歳まで負担し続けることになるんだろう?」
など、具体的な疑問をお持ちの経営者様や人事担当者様は非常に多いのではないでしょうか。
今回の制度は、給与計算の実務に直結するだけでなく、全従業員の生活に関わる重要な法改正です。
そこで今回は、これまでの質疑応答でいただいたポイントも踏まえ、新しい「子ども・子育て支援金制度」の全体像を、分かりやすく、そして詳しく解説していきます。
子ども・子育て支援金制度の3つのポイント
まず、この制度の最も重要なポイントを3つにまとめました。
- 開始時期:2026年(令和8年)4月から徴収開始
- 負担者:従業員と事業主の「労使折半」
- 徴収方法:毎月の**「健康保険料」に上乗せ**して徴収
つまり、2026年5月支給の給与から、ほとんどの企業で給与計算の変更が必要になります。
(これは基本的に社会保険料が翌月徴収であることにより2026年5月支給としています。)
【疑問①】従来の「子ども・子育て拠出金」との違いは?
多くの方が疑問に思うのが、これまでもあった「子ども・子育て拠出金」との関係性です。
この2つは全くの別物で、将来的には新しい支援金に一本化されていく関係にあります。
違いを比較表で見てみましょう。
項目 | 子ども・子育て支援金(新制度) | 子ども・子育て拠出金(従来制度) |
負担する人 | 従業員と事業主(労使折半) | 事業主のみ(全額負担) |
徴収方法 | 健康保険料とあわせて徴収 | 厚生年金保険料とあわせて徴収 |
対象者 | 公的医療保険の加入者**(全世代)** | 厚生年金の被保険者(主に現役世代) |
根拠法 | 子ども・子育て支援法 | 児童手当法 |
【ポイント】
これまで全額事業主負担だった「子ども・子育て拠出金」は、今後、段階的に新しい「支援金」制度に統合・移行していく予定です。
これにより、子育て支援に関する社会保険料の負担は、「全額事業主負担」から「労使折半」の仕組みへと大きく変わっていきます。
【疑問②】徴収方法は?なぜ健康保険料から?
新しい支援金は、毎月の健康保険料に上乗せする形で、医療保険者(協会けんぽや健康保険組合など)が一体的に徴収します。
この方法は、2024年6月に成立した**「改正子ども・子育て支援法」**で正式に定められました。
なぜ健康保険料の仕組みを使うかというと、
- 既存インフラの活用:全国民をカバーする効率的な徴収の仕組みがすでにあるため。
- 「全世代型」の理念:会社員や自営業者だけでなく、高齢者も含む「全世代」が加入する医療保険の仕組みを使うことで、社会全体で子育てを支えるという理念を実現するため。
という2つの大きな理由があります。
【疑問③】いったい、何歳まで払うの?
これも非常に多くいただく質問です。
結論は、**「年齢の上限なく、生涯にわたって負担する」**です。
支援金は公的医療保険の保険料と一緒に徴収されるため、日本の公的医療保険に加入し続ける限り、負担も続くことになります。
- ~74歳まで:会社員は「健康保険」、自営業者などは「国民健康保険」の保険料と共に負担。
- 75歳以上:すべての人が加入する「後期高齢者医療制度」の保険料と共に負担。
このように、現役世代だけでなく、75歳以上の高齢者も所得に応じて負担の対象となるのが、今回の制度の大きな特徴です。
企業が今から準備すべき3つのこと
法改正まで時間はありますが、直前で慌てないためにも、今から準備を進めておくことが賢明です。
1. 給与計算システムの確認・更新 2026年4月からの新しい料率に対応できるか、システム会社に確認しておきましょう。手計算の場合は、計算方法の変更に備える必要があります。
2. 従業員への丁寧な説明の準備 給与の手取り額に影響があるため、従業員の不安は大きいものです。「なぜこの制度が始まるのか」「いつから、いくらくらい負担が増えるのか」を、会社の言葉で丁寧に説明する準備が不可欠です。説明会や資料配布などを検討しましょう。
3. 就業規則(給与規程)の確認 給与からの控除項目について、自社の規定が「法令に定める社会保険料」のような包括的な定め方になっているか確認しましょう。万が一、個別列挙になっている場合は改定が必要な可能性があります。
【まとめ】正しい知識で、来るべき変化に備えましょう
今回は、2026年4月から始まる「子ども・子育て支援金制度」について、皆様から寄せられた疑問点も踏まえて詳しく解説しました。
- 従来の拠出金は「事業主負担」、新しい支援金は「労使折半」
- 徴収は「健康保険料」とセットで行われる
- 負担に年齢の上限はなく「生涯」にわたる
制度の仕組みを正しく理解し、今から準備を進めることで、スムーズな移行が可能になります。
「従業員への説明、どう進めたらいいか不安…」
「給与計算の具体的な変更点が心配…」
こうした法改正に伴うお悩みは、ぜひ私たち社会保険労務士にお任せください。
社労士事務所ぽけっとは、専門家として、貴社に寄り添ったきめ細やかなサポートをご提供します。
どうぞお気軽にご相談ください。
【免責事項】
本記事は、2025年6月時点の公開情報に基づき作成しております。今後の動向により、内容が変更となる可能性があります。最新の情報については、こども家庭庁等の公式サイトをご確認ください。また、本記事の情報を利用した結果生じた損害等については、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。