【Googleサイトで作る給与計算マニュアル】動画で更に分かりやすく!無料・簡単5ステップ

中小企業の経営者様、人事ご担当者様、こんにちは。
社労士事務所ぽけっとです。
「給与計算の担当者が急に辞めてしまったら、業務が止まってしまう…」
「新任担当者への説明に、毎年多くの時間がかかっている…」
「文字ばかりのマニュアルは、読む気になれないし、分かりにくい…」
このようなお悩みをお持ちではないでしょうか?
給与計算は、従業員の生活を支える非常に重要な業務ですが、その手順が特定の担当者の頭の中にしかない「属人化」に陥りがちです。
この問題を解決するには「給与計算マニュアル」の作成が有効ですが、ただ作るだけでは不十分。
誰にとっても「見やすく、直感的に理解できる」ことこそが、本当に使えるマニュアルの鍵となります。
そこでおすすめしたいのが、Googleサイトを活用したマニュアル作成です。
Googleサイトの最大の魅力は、まるでプレゼン資料を作るように、テキストや画像、さらには動画も活用して、驚くほど見やすいマニュアルが作れる点にあります。
もちろん、Googleアカウントさえあれば無料で利用でき、専門知識も一切不要です。
この記事では、給与計算のプロである社労士の視点から、Googleサイトを使って「見やすく」「継続的に運用できる」給与計算マニュアルを作成する方法を、5つのステップで分かりやすく解説します。
Googleサイトが給与計算マニュアルに最適な理由
Googleサイトには、見やすいマニュアル作成を助ける機能が満載です。なぜ最適なのか、その豊富な機能とともにご紹介します。
- 圧倒的な「見やすさ」と表現力
レイアウト機能を使えば、画像やテキストをバランス良く配置できます。さらにYouTubeやGoogleドライブから動画を直接埋め込めるため、複雑な操作手順も視覚的に伝えられます。画像のスライドショー(カルーセル)や、クリックで開閉するテキストなど、表現方法が多彩です。 - ビジネスツールとの完璧な連携
給与計算で使うスプレッドシート(従業員名簿や保険料率表など)や、各種申請に使うフォーム、年間スケジュールを共有するカレンダーなどを、ページ内にそのまま表示できます。情報があちこちに散らばらず、このマニュアルサイト一か所で完結します。 - コストゼロで始められる
特別なソフトやサーバーは一切不要です。Googleアカウントがあれば、これだけの高機能を追加費用ゼロで利用できます。 - 専門知識不要の「かんたん操作」
ドラッグ&ドロップでパーツを配置していくだけ。Webサイト作成の知識がなくても、誰でも簡単にページの作成・編集が可能です。 - 更新・共有がスムーズ
クラウド上で常に最新情報に更新でき、関係者への共有もURLを送るだけ。PCでもスマートフォンでも自動で最適に表示される(レスポンシブデザイン)ため、いつでもどこでも確認できます。

Googleサイトで給与計算マニュアルを作成する5つのステップ
それでは、早速マニュアルを作成していきましょう。
以下の5つのステップに沿って進めれば、誰でも簡単に見やすいマニュアルが作成できます。
ステップ1:Googleサイトを準備する
- お使いのGoogleアカウントでGoogleドライブを開き、画面左上の「+新規」ボタンをクリックします。
- メニューから「その他」にカーソルを合わせ、「Googleサイト」を選択すると、新しいサイトの編集画面が開きます。
- まずはサイトのタイトル(例:「株式会社ぽけっと 給与計算マニュアル」)と、ページ上部のタイトルを入力しましょう。
ステップ2:マニュアルの骨格(構成)を考える
いきなり詳細を作り始めるのではなく、まずはどのような情報を載せるか、マニュアルの全体の構成を考えましょう。
これがマニュアルの「目次」になります。
【構成案の例】
- 1. 給与計算の基本
- 当社の給与体系(月給、時給など)
- 給与の支払日と勤怠の締め日
- 支給項目一覧(基本給、残業手当、通勤手当など)
- 控除項目一覧(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税、住民税など)
- 2. 毎月の給与計算業務フロー
- 勤怠データの集計から給与振込までの時系列フロー
- 毎月のチェックリスト
- 3. 年間の定例業務
- 労働保険の年度更新(4月~5月)
- 社会保険の算定基礎届(7月)
- 年末調整(11月~12月)
- 4. 各種手続き(入社・退社・その他)
- 従業員が入社したときの手続き
- 従業員が退社したときの手続き
- 住所変更や扶養家族の変更があったときの手続き
- 5. よくある質問(Q&A)
この構成案を元に、Googleサイトの右側にあるメニューから「ページ」を選択し、「+」ボタンで新しいページを追加していくことで、マニュアルの骨組みが完成します。

ステップ3:各ページのコンテンツ(中身)を作成する
骨組みができたら、各ページに具体的な内容を肉付けしていきます。
Googleサイトの多彩な機能をフル活用し、分かりやすいコンテンツを作成しましょう。
- テキストと画像: 業務手順を書き出し、関連する書類のサンプル画像や、システムのスクリーンショットを挿入します。
- スプレッドシートやドキュメントの埋め込み: 従業員名簿や給与規程などを埋め込み、マニュアル内で直接閲覧できるようにします。
- 動画の埋め込み: これが特におすすめの機能です。給与計算ソフトの複雑な操作や、年末調整の申告書の書き方など、文章で説明しにくい手順は、実際の操作画面を録画した動画で示すのが最も効果的です。
【お役立ちTIPS】PC画面の簡単録画方法
「操作画面の動画を撮るなんて難しそう…」と感じるかもしれませんが、特別なソフトは不要です。
Windows 10/11をお使いなら、標準搭載されている「Snipping Tool(スニッピングツール)」に画面録画機能があり、非常に便利です。
- スタートメニューから「Snipping Tool」を起動します。
- ビデオカメラのアイコン(録画)を選択します。
- 「新規」をクリックし、録画したい範囲をドラッグで指定します。
- 「スタート」ボタンを押せば録画が開始されます。
このツールで作成した短い操作動画をGoogleドライブにアップロードし、マニュアルに埋め込むだけで、分かりやすさが飛躍的に向上します。
新任担当者も、動画を見ながら自分のペースで業務を覚えられます。
ステップ4:見やすさを追求!デザインとレイアウトを整える
マニュアルは、内容の正確さと同じくらい「見やすさ」が命です。
従業員がストレスなく情報を探せるよう、デザインとレイアウトを工夫しましょう。
Googleサイトには、そのための機能が豊富に用意されています。
- テーマ機能: 右側メニューの「テーマ」から好みのデザインを選ぶだけで、サイト全体に統一感が生まれます。
- レイアウト機能(コンテンツブロック): 「挿入」メニューにある、画像とテキストがセットになった「コンテンツブロック」を使えば、業務フローなどを視覚的に分かりやすく配置できます。
- 区切り線・スペーサー: 情報を区切る「区切り線」や、余白を調整する「スペーサー」を活用すると、ページにメリハリが生まれ、格段に見やすくなります。
- 折りたたみ可能なテキスト: Q&Aなど、情報量が多くなりがちなコンテンツは「折りたたみ可能なテキスト」を使いましょう。クリックした人だけが詳細を読めるので、ページ全体がすっきりします。
これらの機能を組み合わせることで、読む人の負担が少ない、洗練されたマニュアルを作成できます。
ステップ5:共有設定を行い、関係者に展開する
マニュアルが完成したら、右上にある「公開」ボタンをクリックします。
その際に、誰に公開するかを設定できます。
- ウェブ上の全員に公開: 一般公開されます(マニュアルには不向きです)。
- (あなたの会社名)の全員が閲覧可: 社内の全員が閲覧できます。
- 特定のユーザーとのみ共有: 「共有」ボタンから、人事担当者など特定のメンバーにのみ編集・閲覧権限を付与できます。
まずは「特定のユーザーとのみ共有」で関係者に展開し、フィードバックをもらいながら改善していくのが良いでしょう。
マニュアルを「使える」状態に保つための運用術
マニュアルは、作って終わりではありません。
法改正への対応や、業務フローの変更に合わせて、常に最新の状態に保つことが何よりも重要です。
- 定期的な見直し: 半年に1回、または年度末などに、内容が現状と合っているかを確認する日を設けましょう。
- 法改正情報のキャッチアップ: 厚生労働省や国税庁のホームページ、そして私たちのような社労士事務所が発信する情報を定期的にチェックし、変更点をマニュアルに反映させましょう。
- 更新履歴を残す: ページのトップなどに「最終更新日:2025年〇月〇日(変更点:〇〇)」のように履歴を残しておくと、どこが新しくなったのかが分かりやすくなります。
さらに便利な機能
それに加えて、Googleサイトには変更履歴が自動で保存される「版の履歴」という機能があります。
画面上部にあるその他アイコン(︙)から「版の履歴」を選択すると、「誰が・いつ・どのバージョンを公開したか」が一覧で表示されます。
万が一、誤った内容で更新してしまっても、過去のバージョンに簡単に復元できるため、安心して編集作業を行えます。
この自動履歴機能は、複数人でマニュアルを管理する際に特に強力な味方となります。
【まとめ】見やすいマニュアルが、組織を強くする
Googleサイトを使えば、コストをかけずに、自社の実情に合った給与計算マニュアルを内製化できます。
特に動画を活用することで、これまで時間をかけて対面で説明していた業務も、マニュアルで自己解決できるようになります。
これにより、教育コストが削減できるだけでなく、誰にとっても「見やすく、分かりやすい」マニュアルが、組織全体の生産性向上にも繋がります。
とはいえ、「自社だけでマニュアルを運用していくのは不安…」「複雑な社会保険の手続きや法改正の対応は、やはり専門家に任せたい」と感じる場面もあるかもしれません。
そんな時は、ぜひ私たち社労士事務所ぽけっとにご相談ください。
給与計算や社会保険手続きのプロフェッショナルとして、動画を活用した分かりやすいマニュアル作成のアドバイスから、日々の給与計算代行まで、貴社の状況に合わせて幅広くサポートいたします。
ご相談は無料です。まずはお気軽にお問い合わせいただき、貴社のお悩みをお聞かせください。
【免責事項】
本記事に掲載されている情報は、記事公開日時点の法令等に基づいております。情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。実際の業務に適用される際には、必ず最新の法令等をご確認いただくか、専門家にご相談ください。本記事の情報を利用したことによって生じたいかなる損害についても、当事務所は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。