【MF給与】新機能「日割り計算控除の詳細条件」で給与計算ミスを防ぐ!

毎月の給与計算、本当にお疲れ様です。 数ある給与計算業務の中でも、特に頭を悩ませるのが「日割り給与」の計算ではないでしょうか?
「月の途中で入社した社員の基本給、どう計算しよう…」
「カレンダーを見ながら出勤日数を数えて、電卓を叩いて…」
「月末のバタバタで、うっかり日割り計算するのを忘れて、満額で支給しそうになった…!」
こんなふうに、毎月の給与計算で、日割り計算に時間と神経を使っている方は、決して少なくないはずです。手計算による計算ミスや、担当者の引き継ぎに不安を感じることもありますよね。
もし、その面倒な日割り計算が、簡単な設定だけで完全自動化できるとしたら、どうでしょうか?
今回は、多くの中小企業で導入されている「マネーフォワード クラウド給与」を使って、これまで手計算が当たり前だと思っていた給与の日割り計算を、完全に自動化する方法を、分かりやすく徹底解説します!
なぜ日割り計算は「手作業」になりがちだったのか?
本題に入る前に、そもそもなぜ多くの会社で、日割り計算が「手作業」になってしまっていたのでしょうか?
その理由は、以下の3つのステップで説明できます。
1.法律に「計算方法」の定めがない
まず、労働基準法などには「給与の日割り計算は、このように計算しなさい」という具体的な方法まで定められていません。
2.結果として、会社ごとにルールが多様化する
法律に定めがないため、計算方法は会社ごとの就業規則や賃金規程に委ねられます。その結果、
- その月の暦日数で割る
- その月の所定労働日数で割る
- 小数点以下の端数を切り上げる/捨てる
など、会社によってルールが多種多様になっているのが実情です。
3.給与計算ソフトが、その「多様なルール」に対応しきれていなかった
そして、ここが最も重要なポイントです。この「会社ごとの多様なルール」に、従来の給与計算ソフトが柔軟に対応しきれないケースが多かったのです。「うちの会社独自のルールだと、ソフトの自動計算機能が使えない…」という事態に陥っていました。
その結果、多くの給与計算担当者は、便利なはずの給与計算ソフトを使いながらも、日割り計算の部分だけは結局電卓を取り出して手作業で計算し、その結果を手入力する…という、非効率でミスの起こりやすい作業をせざるを得なかったのです。
【本題】マネーフォワード給与なら、日割り計算は「設定」するだけ!
これまで電卓を叩いて行っていた、この複雑な日割り計算。 マネーフォワード給与なら、会社のルールに合わせた計算式を一度設定するだけで、あとは原則として自動で計算してくれます。
ただし、これはマネーフォワード給与で用意されている計算パターン(後述)に、自社のルールが当てはまる場合です。万が一、システムの自動計算パターンに合致しない場合は、これまで通り手計算での調整が必要になる点にご留意ください。
とはいえ、多くの一般的な日割り計算はカバーされているため、ほとんどの会社様で業務を効率化できるはずです。自動化の対象となるのは、以下のようなケースです。
- 月の途中での入社
- 月の途中での退社
- 月の途中からの休職
- 月の途中からの復職
これらの従業員情報さえ正しく登録されていれば、毎月の給与計算時に、システムが自動で日割り計算を行い、正しい給与額を算出してくれるのです。
【実践】日割り計算の自動化・かんたん3ステップ設定ガイド
では、実際にどのように設定するのか見ていきましょう。
◆ステップ1:どの支給項目を「日割り」にするか決める
まず、基本給や各種手当など、どの項目を日割り計算の対象にするかを設定します。
- マネーフォワード給与の [設定] > [支給項目] を開きます。
- 日割り計算したい項目(例:「基本給」)を選択し、編集画面を開きます。
- 「日割り計算」の項目で、プルダウンから「日割りする」を選択します。
たったこれだけで、この項目が日割り計算の対象として認識されます。同じように、住宅手当や資格手当など、日割りにしたい他の項目も設定しましょう。
◆ステップ2:会社のルールに合わせて「計算方法」を選ぶ
次に、この記事の最も重要なポイントである「日割り計算の計算式」を設定します。
マネーフォワード給与では、会社のルールに合わせて、計算の基準となる日数(分母)を柔軟に選ぶことができます。
[設定] > [給与規定] > [日割り計算] タブを開いてください。 ここで、日割り計算の基準とする日数として、主に以下の選択肢から選べます。
- 該当月の暦日数:シンプルで分かりやすい方法です。(例:5月なら31日)
- 該当月の所定労働日数:より実態に即した計算方法です。(例:5月の所定労働日数が20日なら20日)
- 固定の日数:年間を通じて分母を固定する方法です。(例:常に「21日」で割るなど)
自社の就業規則や賃金規程にどの方法が定められているかを確認し、選択しましょう。もし規定がなければ、これを機にルールを明確にすることをお勧めします。
◆ステップ3:従業員情報を正しく登録する
最後に、自動計算の前提として、各従業員の「入社日」や「退職日」、「休職開始日」などを正確に登録しておきましょう。この情報をもとにシステムが対象者として判定し、自動計算を行ってくれます。
具体例で見てみよう!
【ケース】5月16日に入社したAさん(月給31万円、土日祝休み)
- MF給与の設定
- 支給項目「基本給」を「日割りする」に設定。
- 日割り計算の基準を「該当月の暦日数」に設定。
- 自動計算の結果
- 5月は31日間。Aさんの在籍日数は16日間(31日 - 15日)。
- 計算式:310,000円 —(310,000円 × 16日 ÷ 31日 )= 150,000円(日割り計算控除額)
- この計算が、給与計算時に自動で実行されます。もう電卓は必要ありません!
【まとめ】日割り計算の自動化で、未来の時間を手に入れよう!
日割り計算の自動化がもたらすメリットは計り知れません。
- 圧倒的な時間短縮: 毎月数十分~数時間かかっていた作業がゼロになります。
- 計算ミスの撲滅: ヒューマンエラーがなくなり、給与の支払い間違いを防ぎます。
- 業務の属人化を解消: 誰が担当しても、常に同じルールで正確な計算ができます。
これまで「給与計算は面倒なもの」と諦めていたかもしれませんが、便利なツールを正しく設定すれば、業務は劇的に効率化します。生まれた時間で、より創造的な仕事に取り組みましょう。
とはいえ、「うちの会社の規定だと、どの設定が正しいの?」「これを機に、賃金規程そのものを見直したい」といった専門的なお悩みも出てくるかと思います。
そんな時は、ぜひ私たち社会保険労務士にご相談ください。 社労士事務所ぽけっとでは、マネーフォワード クラウド給与の最適な設定はもちろん、その土台となる就業規則や賃金規程の整備まで、トータルでサポートいたします。
正しいルール作りと、正しいシステム運用で、安心・正確な給与計算を実現しましょう。どうぞお気軽にお問い合わせください。
【免責事項】
本記事の内容は、執筆時点のマネーフォワード クラウド給与の機能に基づいています。将来的な仕様変更等により、情報が古くなる可能性がございます。日割り計算の具体的な設定にあたっては、必ず貴社の就業規則や賃金規程をご確認の上、ご自身の判断と責任において行ってください。